週末の夜、天外エリアでオープンするTHE BAR-SAKEでは美術商選りすぐりの酒器で日本酒を味わっていただけます。
今回ご紹介するのは「黄瀬戸六角盃」。
黄瀬戸は桃山時代の美濃で生まれた焼物で、その中でも六角形をした盃は古来より数寄者の中で最も珍重され、酒徒垂涎の的とされてきました。特にこの盃は緑の釉溜りが翠玉のような美しさを持っています。
併せてご紹介するのは南宋時代の「砧青磁双魚文蓮弁皿」です。
砧青磁とは中国は浙江省の龍泉窯にて焼成された最高峰の青磁窯で、日本においても古来より珍重され、現在に伝世する名作の中には、重要文化財や国宝に指定される砧青磁も多数存在しています。この砧青磁の皿は、見込みに型押しで双魚文が配されており、器壁外面には蓮弁文が施されています。双魚文は古くからの吉祥文様であり、中国語で魚は余(ユイ)、蓮は連(レン)と発音が同じであることから、毎年余裕のある裕福な暮らしができるという意味の「連年有余」の願いも込められています。